NEO DARUMA 磁土(天草陶石) 福岡県 2021~
縁起物として人々に親しまれてきた「だるま」は、禅宗の開祖として知られる達磨大使を模したものです。 達磨には、九年もの間、ひたすらに座禅に打ち込むうちに手足が腐敗し、なくなったという故事があります。 禅宗の開祖として、新たなものに挑戦し、ひとつのことに打ち込んだその姿は、「反わびさび」という新しい価値を生み出そうとする古賀のアーティストとしての姿勢と重なります。 さまざまな文化が入り混じり、それらすべてを許容する街・原宿。異端を恐れず自らを表現する人々が集うこの地で、古賀の作品は、新たな展開を見せています。 《NEO DARUMA》には、グラフィティ入りのバージョンも登場します。 人々の願いを叶える縁起物などとして親しまれてきた「だるま」の胴体には、「必勝」「福」「商売繁盛」といった文字が書かれていますが、本作ではこれに代わって、カラフルなグラフィティで、ボディ全体に多くの文字が描かれています。 「Get Stand Up」「Stay Gold」「Silver lining」 これらのポジティブな言葉は、コロナ禍に苦しむ現在の社会に向けて、古賀が投げかけるメッセージです。 だるまを覆うスタッズはパンク、グラフィティはストリートカルチャーとジャンルを横断したものですが、それらがさらに日本の文化の中で育まれてきた、だるまというキャンバスにおさまっています。